オーナーが僕らと会う前に交渉していた建築会社からは「やめたほうがいい」と否定されていたこの土地。それが世間評価の相場です。細長い角地、床面積は30 坪という狭小地、そして南側には採光を遮る隣の家。けれど僕たちは「おもしろいかもしれない」とまず思う。むしろ制約が楽しい。仮に長方形や正方形ではない土地でも、斜めのラインと奥行き感で広さをつくりだすことができます。狭い面積だとしても、生活スタイルやゆずれない趣味の時間を話し合いながら、それぞれの優先順位を空間構築に落としこめます。もちろん水回り、洗濯の動線、子ども部屋など最低限の機能も妥協せず。採光の方位については、lia Style では光の乱反射を作り出すように窓等の開口部の位置を計算することで、北や東向きでもポジティブに部屋の光をコントロールしています。わたしたちに南向き信奉という言葉はありません。最近はそういったlia Style の考えに共感して、お声がけいただく機会も増えてきました。