そこに二つの要素があったとします。対立するA・Bもあれば、並列するA・Bもあります。公園と住宅は、「パブリック」「プライベート」あるいは「見える見られる」という一見すると対立する概念かもしれません。でも、家族にとって公園は、元気や安心を感じさせ、地域のつながりを生み出す必要な要素。対立というよりは、むしろ一緒にいる存在です。それは夫婦にも近い。違いを認め合い、フォローしあい、互いにエネルギーを与え合う存在。僕はそんな印象をこの住まいのネーミングに込めました。比翼には「鳥のつがいが翼を並べる」という意味があります。個々が外を飛び回り、家に帰ってきて羽を休める。家には人生を包み込む安らぎという機能もあります。家は単なるハードではありません。住むことは成長すること。家は「心を育む場」だと思うので、そこに住む家族が主役になれる住まいを常に考えています。