札幌のデザイン注文住宅|lia Style(リアスタイル)

the 10th anniv. ~ブランド設立前(4)~

こんにちは。ジブですm(__)m

今日のブログは
先日アップした「ブランド設立前(3)」の続き。

「ブランド設立前(3)」を読まれてない方は>こちら<

2010年8月のとある日。
オヤジ(C社長)に誘っていただいた
K先生が設計された住宅の見学の日。
※ちなみに、ご本人の前で「オヤジ」とは呼ばせてもらったことはありません(笑)

四角い、シンプルな箱型のファサードながら
明らかに「何かが違う」空気感の漂う住宅の前で
鳥肌が立ったのを覚えています。

あっ、一応・・・
”こんな”僕ですが、とある大学の建築学科を卒業し
元々は設計に配属されたんですよね。
そう、元は設計の世界に生きていた人間なんです。
(半年間だけ。その後、うるさいってことで営業に・・・笑)

建築家とか、響きも含め憧れはありましたが
生きる世界が違うと思っていたんですよね。
その「世界」が違うと思っていた建物が
目の前にあるのだから
そりゃ、心臓がドキドキしちゃうわけです。

室内に上がらせていただくと
既に到着していたオヤジが女性と話していました。

C:「おう!ジブ、よく来たな。こちらKさん。」
K:「初めまして。ゆっくり見ていってください」

すごく柔らかいけど強い印象のK先生。
お言葉に甘え、ノムラは
現場を隅から隅まで見まくってました(笑)

建築家の先生が携わった物件を見学する機会は
僕たちにはそうそうあるものではありません。
見たこともないディテールばかりだったこと、
そして、やっぱり、凄く美しい住まいだったこと、
とても刺激的でした。

とにかく、美しく、凄かった。

当時の僕のレベルでは
このくらいの感想しかいう事ができませんでした。

DSC_2170
↑↑やばい、やばいと言いながら写真を撮っていたジブ。

もちろん、僕も興味があって見ていたけど
一番の興味はオヤジとK先生の会話の中身で・・・

オヤジやK先生の話の中に(図々しく)入り込み
色々な話を聞いてました。

C:「いや~やっぱりこの家はらせん階段じゃないと収まらないよね」
K:「そうそう、このボリューム感とかのバランスを見るとね~」

などなど
正直、あの頃の僕には意味のわからない、
意図も感じられないくらいハイレベルな内容だったけど
エネルギーを吸収したい、会話を聞きたい
得た情報をノムラに渡したい、
その気持ちが強かったのを覚えています。

ハッキリと覚えていることは・・・

この時のK先生とオヤジの会話の中で
K先生は「シンプルに」という言葉を多用していたのだけど

僕からすると、「どこがシンプルやねん!」って
ツッコみたくなるくらいな住まいな訳ですよ。

けど、僕は2人の会話の意味をとにかく理解しようとしたので
話を聞きながらこの凄すぎる建物の「何がシンプルに当たるのか」を
一生懸命に把握しようとしてました。

全然、良くわかんなかったけどね(笑)
だって、何言ってるか全くわかんないんだから。

当時、そんなレベルの僕ではあったけど
K先生は、質問したことに全部答えてくれて
ノムラにもディテールなどについて
”普通”に教えてくれました。

”普通”は教えてくれないと思うので
感謝しかありません。

ただディテールだけを聞いても
K先生と同じ空間にはならないということを
後に、僕たちは理解します。

K先生が創られる住まいは
何が凄いって、ディテールもそうだけど
空間が、本当に凄い。
ディテールはもちろん大事、
そして、それ以上に大切なことがあるってことなんですよね。

かなりの時間、見させていただき、
聞けること、聞きたいことを思いつくままに質問し
見学も終盤に差し掛かったころ

K:「Cさん、明日、とあるオーナーの家に行くけど一緒に見に行く?」
C:「あぁ、行きたいけど用事あるから行けないわ~」

というK先生とオヤジの会話が聞こえた瞬間、

J:「行きたい!僕、行きたいです!ぜひ見させてください!」

って更に図々しくお願いをしました。

K:「(笑)いいよ~、おいで!」

と優しく承諾していただき、
オーナー宅の場所も教えていただきました。

今考えると、初めてお会いした日に
よくそこまで図々しく行けたなと
流石に思うのですが、そこが僕の良いところ(笑)

翌日・・・
到着した場所は住宅街の一画で
そんなに大きくはない変形した角地に
土地と同じ形で変形した建物。
屋根も、どんなことになっているのか
分からないような形になっている
”明らかに普通じゃない”けど
すごく街並みに馴染んでいる家が佇んでいました。

もうね。
こっちは家を売るプロではあったけど
家を建てる素人な訳ですよ。

良くわからないけど、凄いのだけは分かる。
レベルの違いとか、そんな話ではないくらいの
とんでもない住宅がそこにはありました。
もう放心状態、そんな感じで呆然としている時に

K:「おはよ~!早いね~笑、いいでしょ!?」

と笑顔でK先生が登場。。。

J:「凄すぎっす・・・」

そう返答するので精一杯だったけど
この時、後悔というか思っていたのは
ノムラも居た方が絶対に良かった。ということ。

そう、ノムラもC社長と同じように
用事があって来れなかったんです。

だからこそ・・・
全身全霊で、何かを感じていかなければと
過去にも今にも無いくらいの集中力でいたのを覚えています。

K先生に案内され、エントランスに向かったのだけど
もうエントランスから凄すぎるんですよ。

ドアを開けてくれたオーナーさんは
当時、60代のご夫婦。
その住まいは建てられて3年目というタイミングでした。

笑顔が優しい、物腰柔らかな奥様にお迎えいただいて
室内へと足を踏み入れると・・・

・・・

・・・

・・・

圧巻でした。

天井の高さとかもそうだけど
天井の梁とかもかっこいいけど
そもそも、どんな構造で成り立ってるかも全く分からないし
開口部とかから見る中庭とかも
その開き方とか、表現できないくらいに凄くて
鳥肌をたてるくらいしかできないんですよ。

圧倒的な・・・何かわからないエネルギーを感じる一方で
包容力というか、安心感、落ち着き感もすさまじく
そして、住まわれているご夫婦の雰囲気も素敵で・・・

「何も言えねぇ」って、本当にあるんですね。
口から生まれてきたと言われ続けた僕が、
「何もいえねぇ」状態だったのですから。

お恥ずかしいのですが、この後・・・
ただ、感動して泣いてしまいました。

心を揺さぶられました。

そして、
きっとオヤジは”これ”を
僕やノムラに伝えたかったのかな。と思ったら
その出会いや、その想いに更に泣いてしまって。

泣きながら、思ったんですよね。

あぁ・・・
きっと理想で最良の住まいってこういう事なんだよなぁ。って。

今でもうまく言葉にできないけど、
この場所に、ご夫婦が笑顔で暮らしている姿、意味、
そんなことを本当に、心から感じたんですよね。

凄いとか、カッコイイとか
そんな薄っぺらいことじゃなく、
”何となく”しか感じれなかったけど
その住まう意味とか、”何かいい”って感じられたことに
ただ、ただただ感動。

あぁ、こういう・・・
この場所に、このご家族が住む意味を
僕たちも、創りたいなぁって。

そして、言葉じゃ表現できないような
”何かいい”って感じが、すごくいいなぁって
本当に、心から思ったんですよね。

だからlia Styleの最初の方のブログって
”何かいい”って表現を凄くしているのだけど
そのきっかけは、この日だったんです。

どこが大好きで、どれだけ我が家が自慢で、心地よいか
そういうことを笑顔で話しながら
ご案内してくださった奥様の人柄にも感動したのかもしれません。

そこから2時間くらい
ダイニングに座らせていただき
K先生とご夫婦と色々なお話をさせていただきました。

僕たちが今、どういうことを考えて何をやりたいのか
僕の話に耳を傾けてくださったK先生とご夫婦からは
暖かい言葉をいただき・・・

それ以来、K先生には本当にお世話になっていて
色々なことを教えてもらったり、
相談させていただいたり、しています。

また、個人的に悩んだり、ブレそうになったときに
初心を忘れないようにってことで
この日、伺った、
初めて住宅をみて泣いてしまったこの住まいを
外観だけなんだけど、見に行っています。
今でも。

変態ですね(笑)
いや、ストーカーかな。

実際に、窓周りのディテールや空間構築のこと、
僕が話している価値観のような部分は
K先生の影響を思いっきり受けています。

もちろん、それをノムラなりに表現をして。
となるのだけど。

C社長の住まいの考え方をノムラが、話す内容を僕が
K先生の空間やディテールや建築のことをノムラが、
話す内容やニュアンス、伝え方などを僕が、学びました。

そう僕やノムラが一人一人では太刀打ちできないので
二人で尊敬する人たちの全てを学びに行った感じ。
そして、それを理想として愚直なまでにやり続けているんです。

もちろん、進化もするし、今は自分たちの色として
空間も、会話も成立してますけどね。

lia Styleのスタートは憧れ。こうなりたいっていう想い。

僕たちが恵まれていたのは
物売りから、物づくり(住まいづくり)に転換しようとしたときに
最適で最良な出会いがあった。

これがlia Styleの大切な骨格となっていきました。

そして、この2日間の体験は
01Modelの工事にも影響を及ぼします。

その話は、また今度。

そして・・・
01Modelの工事に影響を及ぼした、
まさにその時の”やりとり”によって
lia Styleチームに欠かせない
とある人の存在が明確になるのです。

話が脱線しましたね。

このK先生との出会いから2週間後くらいの
2010年8月27日に『lia Styleブランド』の発表を迎えます。

モデルハウスも、見せられるものも何もない
微妙なタイミングに。

大人の事情ってやつです。

本当はモデルハウスオープンの時に
ブランド発表としたかったんですけどね・・・。

けれど、
この無謀ともいえる8月のブランド発表したことによって
僕とノムラに希望の光となった
僕たちは「間違ってない」って思えた
大切な出会いが、生まれたという事実。

この話も、また今度。

ブランド設立前の話が4話にもなるとは想定外でした(笑)
次回は、ブランド設立後の僕の苦悩(愚痴)について
1話だけ、書きたいと思います(笑)

では。

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