札幌のデザイン注文住宅|lia Style(リアスタイル)

the 10th anniv. ~01Model(2)~

こんにちは。ジブですm(__)m

今日のブログは
先日アップした「01Model(1)」で書いたように
多少の前後などはありますが01Modelの工事の出来事を振り返ってみたいと思います。

「01Model(1)」を読まれてない方は>コチラ<

この話は・・・
K大工との確信から随分と経ち、
ほぼ工事が完了し
グランドオープンまで
あと1週間とか、そういうタイミングでのある出来事。

01Modelの外壁は・・・

11111_R

このように
大理石を粉状(砂状)にした塗り壁と
木サイディングを使った印象的なものだったのですが・・・

グランドオープン前にある事件が起きました。

今は取引がないのですが
この木サイディングを扱っていた会社から
塗装された商品として現場に納入していただき
施工し、出来栄えの美しさに感動したのを覚えているのですが・・・

11月中旬ころ、豪雨の日がありました。

その翌日・・・
乾いていたはずの木サイディングの塗料が
少量ではあったのだけど
白い塗り壁に流れ落ち
汚れてしまうということがありました。

塗り壁という性質と塗料ということもあり
その汚れは落とすことはできず
塗りなおす必要がある状況となりました。

ちなみに、この外壁を塗ってくれた方々は
01Modelから室内のゼオライトを塗ってくれている
左官チーム(とある会社の職人さん達)です。

分かりやすく、今日からA軍団と名付けます。

A軍団には多くの職人さんがいて
室内外やタイミングによって
現場に入ってくれる職人さんたちが変わるのですが
打合せをする担当Cさんとの関係と
職人さん達の腕の良さで、今でもお付き合いしています。

塗り直しの必要性は担当Cさんの判断でした。

じゃあ、塗りなおして!となるのですが・・・
実は、気温が低いと塗ることができない材料だったのです。

問題が発生したのは、11月中旬。
かなり微妙なタイミング。

しかも2010年11月は、例年より気温が低く
塗りなおすにはかなり厳しい状況。

しかも汚れたところだけを塗ると
その跡がわかるので
塗りなおす面積は、ほぼ壁一面。

けど、
だけど、あの時の僕とノムラは諦められませんでした。

半年以上、全力で、気持ちと想いを詰め込んだ
新しいブランドの一番最初のモデルハウスだったので
完全な、完璧な、ここまでやったんだ!って思えるような
そんなカタチで、皆さんに見てもらいたい。

その一心だったと思います。
冷静では、いられませんでした。

くやしさ?屈辱?
もう、わけのわからない感情で

意地でも、直す。

それしか無かったと思います。

そんな僕たちを待ち受けていたのは
天気も悪く、気温も低い週間天気予報。
最悪な状況の中、それでも気温が高そうな日を
塗りなおす日と設定しました。

迎えた当日。天候は・・・雨。
そして、気温も低い。

普通で考えれば、作業なんて無理。
分かってました。けど、諦めきれない。

この日、僕とノムラは01Modelの室内にいました。
居ても立っても居られなかった。

「どうしますか?」と
担当Cさんから連絡が入ったのは、午前の早い時間。
塗りなおし面積から作業時間を逆算すると
午前11時がリミットとのことで
ギリギリまで天候の回復を待つことになりました。
諦められないし、諦めたくなかった。

けど、11時になっても状況は変わりません。
雨が止む気配もなく、気温も低いまま。

担当Cさんからノムラの携帯へ連絡が入り
「どうしますか?」の問いに
「作業してください」とノムラは答えました。
僕も同じ気持ちでした。
「当たり前だ」くらいの気持ちだったかもしれません。

担当Cさんとノムラの会話は続きます。
恐らく、雨の中で塗るということは
乾く乾かないの前に
仕上がりに難がある説明もされたのでしょう。

けど、ノムラの答えは変わりませんでした。
僕も、同じでした。

担当Cさんと電話のやり取り前後、
ノムラと会話をしたのかもしれないけど
全く記憶にないんです。
変なスイッチが入っていたのでしょう。

そんな時です。
01Modelのドアが開きました。

「すみません。」

声の主は、A軍団の職人さんでした。

「お疲れ様です。どうしました?」

とノムラが対応した次の瞬間、
職人さんが口にした言葉は
僕たちが想像もしなかったことでした。

「本当にやるんですか?」
「経験上、絶対に止めた方がいいです。」
「絶対に後悔するはずです。」
「余計、ひどくなってしまいます。」

その人は、真剣な表情で
必死に僕たちのことを止め、
説得してくれました。

本来であれば・・・
職人さんが僕たちを説得する必要はないんです。

既成概念でいう元請けの会社の指示で
無理でも何でもやれ!と言った工事です。

どうなっても責任は元請けの僕たちにあるんです。

更に、A軍団の窓口となっている担当Cさんも止めてくれたのに
その制止を聞かずに、僕たちの判断で塗り直しのGOを出したんです。

普通の会社なら、その時までに知っていた他の会社なら
何も言わずに、作業をしたと思います。

けど、彼らは違いました。

そこには自分たちの仕事への誇りや思い、こだわりなどなど
「ただやるだけ」の仕事と思っていない人たちの気持ちがありました。

僕たちが口を挟むこともできないぐらい
ただひたすらに説得してくれた職人さんに

「わかりました。止めます。指摘してくれてありがとうございます。」

と頭を下げ、お礼を伝えたノムラ。
そして、後ろにいた僕も

「ありがとうございます。」

と、恐らく一般的に言う下請けの職人の方に初めて頭を下げました。
心から、涙をこらえながら、お礼を伝えました。

きっと、それまでどこかで
「元請け・下請け」って言葉が僕の中に
何だかんだ、ほんの少しだったとしても、存在していたと思います。

けど、この日、この職人さんの説得を経験して
「物づくり」に関わる人間の熱さ、気持ち、想いを更に感じ
こういう人たちと仕事がしたいと思ったし
こういう仲間がいて、初めて良い住まいができるのだと痛感しました。

あぁ、オヤジが言っていた
「外に仲間を作れ」と言っていた意味がこれかと。
涙をこらえるのに必死でした。

ノムラの「止めます。」という言葉を聞いて
ホッとした顔を見せた職人さんは

「良かったです。あと、今から少し汚れが落ちないか試しますから」
「少なくとも、今よりは目立たなくしますから」

と僕たちの気持ちを察してくれて
その気持ちに対して、その時に自分たちにできることをやる。という
職人の魂をも教えてくれました。

「本当にありがとうございます。」

僕たちは、それしか言えなくなっていました。
とにかく、嬉しかったですね。

この日を境に、
僕の中にあったくだらない「元請け・下請け」なんていう言葉は
存在しなくなったし、lia Styleの仕事に関わってくれる方々を
下請けとか業者とかいう言葉じゃなく、「仲間」と
心から言えるようになりました。

価値観が、またひとつ変化した日の出来事でした。

そして、気持ちをもった職人さんたちが
僕たちのために、作業をしてくれた結果、
白い壁を汚した塗料の跡は、かなり薄れ、
恐らく”こんなこと”があったことすら
誰も気が付かないくらいな状態で
01Modelはグランドオープンを待つだけとなりました。

2010年11月20日(土)
01Modelのグランドオープンだったのですが・・・
次回、グランドオープン前日に起きた
僕もノムラも「終わった」と心から思った出来事について書きます。

あれは、本当にヤバかった。。。

お楽しみに。

では。

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